海外駐在員たちによる現地舞台の短編小説集
世界最北端の街
世界最北端の街

世界最北端の街

ロシアのムルマンスクに到着してから、私は期待に胸を膨らませていた。モスクワでの日々の忙しさから離れ、この美しい地でオーロラを見ることができると思うだけで心が躍る。だが、現実は予想とは異なっていた。

ロシアの国民性というものを、彼らの日常に触れることで少しずつ理解していった。彼らは他人に対しては警戒心を持ち、疎外感を感じることがある。それは、私が経験したある出来事で特に顕著だった。

ムルマンスクに到着し、古びた駅舎から出ると、目の前に広がる風景は息を飲むほど美しかった。しかし、それ以上に印象的だったのは、人々の表情だった。彼らは堅苦しい表情を浮かべ、見知らぬ者に対しては警戒心を見せる。私にとっては、これがロシア人の国民性の一端なのだろうと感じた。

私は駅から出て、街を歩き始めた。街並みは静かで美しく、モスクワとは異なる雰囲気に包まれていた。そして、その美しい風景を堪能しながら、オーロラを見るための準備を進めた。

その夜、オーロラが見られる場所に向かうために、古い電車に乗った。ロシアの国鉄は古く、1960年代のものが今でも使用されている。電車の扉は勢いよく閉まり、私のリュックが挟まってしまった。慣れない私にとっては、少々戸惑う瞬間だった。そばに立っていたロシア人は無表情で扉を力づくで開けてくれた。私は感謝の意を示そうと顔を向けたが、彼は窓の外を見ていた。その無表情なまなざしに、私は何かを感じた。

彼らの無表情な態度は、彼らが知人以外に笑うことを避ける理由の一つなのかもしれない。彼らは笑うことが自分に自信がないPoorな人だと考えているのだろう。その考えは私にとっては理解しがたいものだった。笑顔は心の豊かさや幸福感の表れであるはずなのに、なぜそうではないのだろうか。

電車が揺れながら進む中、私は彼らの国民性について考え込んだ。彼らが警戒心を持ち、笑顔を控えるのは、彼らの歴史や社会的背景に根ざしているのだろうか。私にはまだ理解しきれない部分があるが、それでも彼らの国の美しさや奥深さに触れることができたことは、貴重な経験だった。

そして、ついにオーロラが輝き始めた。その美しい光景に心が躍り、私の中には感動と幸福感が溢れ出した。ロシアの風景や人々の表情は、私の心に深く刻まれることとなった。

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